塩田千春展ー流れる水...入善町下山芸術の森 発電所美術館

ドイツ在住でヨーロッパを中心に活躍し、近年国内でも多くの発表を重ねる注目の美術作家、塩田千春による新作個展。旧発電所の独特な空間の中で、壮大なインスタレーションによる新作が創り上げられる。(同美術館HPより)2009年5月30日(土)〜9月6日(日)
____
塩田千春は京都精華大学で彫刻家・村岡三郎の指導を受けた後、1996年ドイツに渡り、ブラウンシュバイク美術大学でマリーナ・アブラモヴィッチに、ベルリン芸術大学ではレベッカ・ホルンに学びました。現在はドイツ・ベルリン在住で、ヨーロッパを中心に精力的な活動を続けています。塩田は幼い頃から自己を取り巻く世界を敏感に感じ取り、ベルリンに移ってからも戦争と歴史に翻弄された町の「生と死」の壮絶な記憶を自ら感じ刻んできました。彼女は蓄積された「生きることへの不安」を、決して逃避することなく不安の直中へその身を沈潜させ作品へと昇華させています。
 2000年以降、目覚めの瞬間に寝室が漆黒に編み込まれたように感じたことから、ベッドが置かれた部屋中を黒い糸で張り巡らすインスタレーション作品を発表しています。2001年横浜トリエンナーレで発表された「皮膚からの記憶」は、吊るされた長大なドレスを泥水で洗い流し続けるという、身体にまとわりつく不穏な感情を作品化した衝撃的なものでした。
 精神世界に深く浸透する作品は高い評価を得て、2002年にフィリップモリス・アートアワード大賞を受賞、さらに2007年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しています。2008年には、2000足の靴を赤い糸で結んだ作品「大陸を越えて」ほか、国立国際美術館において大々的な個展を開催し注目を集めました。
 今回発電所美術館における個展では高い天井高を活かし、病院から譲り受けたベッド約30台を使った、大規模なインスタレーションによる新作を計画しています。美術館の立地する黒部川扇状地から湧き出る水を想わせる、天井から扇状に吊るされたベッドには、シャワーから伝うように「命の水」が流れるというイメージを作品化します。時の蓄積した元水力発電所で、その空間に潜む不穏な雰囲気を作家が増幅し、見る者を非日常の世界へと誘います。現代人が抱える「不安」をアートの世界で美しく昇華する塩田の作品は、低く垂れこめた雲間に光が射すように、人々が絶望と希望の狭間を覗く想像の世界を創り上げるのです。天井からなだれ落ち、あるいは天に昇るようにも見えるベッドは、相反する「生」と「死」という人々の逃れられない永遠のテーマを考える場となることでしょう。(発電所美術館HPより)
http://www.town.nyuzen.toyama.jp/nizayama/kikaku/index.jsp

会期:2009年5月30日(土)〜9月6日(日)
休館日:月曜日、(ただし7月20日開館)、7月21日、祝日の翌日
時間:9:00〜17:15 (入館〜16:45)
会場:入善町下山芸術の森 発電所美術館
http://www.town.nyuzen.toyama.jp/nizayama/koutsuu.jsp
入場料
一般500円
高・大生300円
中学生以下無料

○入善町下山芸術の森 発電所美術館
http://www.town.nyuzen.toyama.jp/nizayama/index.jsp