東北芸術工科大学東北文化研究センターアーカイブス企画展「ニッポン発見! 東北発見! めくるめく絵葉書の宇宙」...東北芸術工科大学図書館

平成21年度文部科学省オープン・リサーチ・センター整備事業「東北地方における環境・生業・技術に関する歴史動態的総合研究」の一環。2009年7月13日(月)〜7月18日(土)
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 かつて絵葉書は、新しい情報のメディアだった。関東大震災、桜島の噴火などのニュースをはじめ、名所旧跡、天皇、美人、風俗、祭礼、芸能、博覧会、戦争など、さまざまな映像が絵葉書で売り出され、各地に伝えられた。
 まだカラー写真がなかった時代、モノクローム写真に着色した絵葉書も製造された。これらは重要な部分がカラーで強調されているので、かえって実物より生々しくリアルである。関東大震災の絵葉書では、火災の炎が赤く着色され、その惨状が強調されている。
 靖国神社の絵葉書で、桜に着色されているのも、靖国神社の桜には特別な意味があったからだ。桜は散りぎわの美しさから、戦死を美化する軍国主義の象徴にされた。
 軍歌『同期の桜』では、戦死したら「靖国神社 花の梢に 咲いて会おう」と歌われ、特攻隊にも山桜隊、初桜隊、若桜隊など、桜の名前がつけられた。靖国神社の遊就館に「桜花」という名前の人間爆弾が展示されている。これは頭部に爆弾を取り付けた小型ロケットで、大型攻撃機の下に懸吊されて飛んでいき、敵陣に近づくと、特攻隊員が「桜花」に乗り移って切り離され、時速900キロのロケット噴射で操縦しながら敵艦めがけて自爆するという恐るべき兵器である。こうして1枚の美しい絵葉書から、日本近代史の闇が浮かびあがってくるのである。
 東北文化研究センターが収集した膨大な絵葉書には、天皇から庶民まで実にさまざまなニッポン人が生き生きとした映像で残されている。地元の山形駅や馬見ヶ崎川の木造の九十九橋のような貴重な記録も多く、なかには「鬼子のミイラ」といった怪しげなものまであり、多様で豊かな日本文化が残されている。まさに東北文化研究センターの絵葉書アーカイブスは、「ニッポン発見!東北発見!」の宝庫といってよいのである。
 しかし、この展覧会は、資料的な価値を発見することだけが目的ではない。絵葉書のアートとしての価値を再発見し、日本美術史や日本写真史の中に位置づけると共に、展覧会そのものを、アートを超えたアートとして、新しいアートの空間に創りあげようとする試みである。
 なお、古い絵葉書で不鮮明なものは、佐藤優(本学芸術学部美術科洋画コース4年)が、デジタル画像処理を施して見やすくした。

東北文化研究センターアーカイブス:
http://www.tobunken-archives.jp/DigitalArchives/)東北文化研究センターでは、2002年から絵葉書の本格的な収集を開始し、現在、約2万5000点を収集し、「東北文化研究センターアーカイブス」で公開している。これは絵葉書を収録したアーカイブスでは国内最大のものである。絵葉書の種類は、人文諸科学の資料性を重視して近代日本の庶民の生活や文化を収めたものが大半を占めるが、風景、人物、風俗、芸能、博覧会、戦争など広いジャンルにおよんでいる。
(東北芸術工科大学HPより)
http://www.tuad.ac.jp/newsevents/headline/newpage_20090626_104538/

○ギャラリートーク「アートを超えるアートとしての絵葉書」
日時:2009年7月15(水)18:00〜19:00
会場:東北芸術工科大学図書館2階スタジオ144
講師:内藤正敏(本学大学院教授)
入場無料

○公開研究会「地域共益資源としての映像アーカイブの発掘と活用」
日時:2009年7月13日(月)17:10〜19:10
会場:本館3階201講義室
入場無料(※要事前申込)

第一部:研究発表
佐藤智敬(府中市郷土の森博物館学芸員)
折茂克也(東京大学駒場博物館助教)
山内利秋(九州保健福祉大学准教授)
第二部:ディスカッション
佐藤智敬 折茂克也 山内利秋 
田口洋美(東北芸術工科大学歴史遺産学科教授)
岸本誠司(東北芸術工科大学東北文化研究センター講師)

会期:2009年7月13日(月)〜7月18日(土)
開館:9:00〜18:00 (7月15日(水)はギャラリートーク開催につき〜19:00、最終日〜15:00)
会場:東北芸術工科大学図書館2階スタジオ144
入場無料
企画・問合せ先:東北芸術工科大学東北文化研究センター(Tel:023-627-2168)

○東北芸術工科大学
http://www.tuad.ac.jp/