開催報告...新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会

新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会の開催報告です。

題目:「図書館の「使い方」を考える。」
日時:2月28日(金)14:00〜17:00
場所:多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)アーケードギャラリー
懇親会:17:00〜20:00(懇親会費1000円)

人と情報の接し方が大きく変わり、
図書館設計にも新たな考えが導入されている。
そこにもたらされた人と「本」との新たな関係は、
図書館の新しい「使い方」を誘発する。
新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会では
多摩美術大学図書館の事例から、
大学図書館の未来系を考える。

プログラム:
14:00〜14:05…開会挨拶:秦剛平(多摩美術大学図書館長)
14:05〜14:20…趣旨説明:鈴木明(神戸芸術工科大学新図書館構想ワーキング代表)
14:20〜15:20…施設見学:
庵原義隆(伊東豊雄建築設計事務所)
中山英之(中山英之建築設計事務所)
森由幾子(多摩美術大学図書館)
15:20〜15:40…事例報告:渡邉朋也(多摩美術大学図書館)
15:40〜16:40…ディスカッション
16:40〜17:00…まとめ
17:00〜…懇親会

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第2回目となる研究交流会を開催いたしました。
第1回研究交流会がwebをテーマに図書館の情報発信を取り上げたのに対し、今回は実際の「場」とそこに生まれる「使い方」に焦点を当てました。新図書館の建物にスポットが当たることが多い多摩美術大学図書館が会場に決まっていたので、そこでの「使い方」をケース・スタディとして掘り下げることができれば「新しい時代の図書館」の在り方、課題について参加者と共に考えることができると考え、「図書館の「使い方」を考える」というテーマを設定しました。事前の情報が少なかったにもかかわらず、図書館員だけでなく、大学教員、文化施設、建築関係の方、学生、多彩な顔ぶれ約30人の方にご参集いただきました。

○多摩美術大学図書館長・秦先生による開会の挨拶。秦先生は聖書研究の権威。
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○開会挨拶を頂戴した後、神戸芸術工科大学新図書館構想ワーキング代表である鈴木明より「新しい時代の図書館研究会」についての趣旨説明が行われた。「研究成果を自分たちで抱え込まずにオープンな形で共有する」という研究会設立にいたる考え方を伝える。
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○多摩美術大学図書館の特徴の一つである「アーケードギャラリー」が会場。傾斜がある床の上で独特の椅子に腰掛けての研究交流会となりました。
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○趣旨説明の後は、皆様お待ちかねの施設見学へ。施設見学を担当して下さったのは、伊東豊雄建築設計事務所で実設計を担当された中山英之さん、庵原義隆さん、そして実際に業務で施設を日々使用している森由幾子さんの3人です。中山さん、庵原さんの登場は当日まで秘密でしたが、多摩美術大学図書館で通常業務以外の様々な活動を担当されている渡邉朋也さんがセッティングして下さいました。(写真は「マグテーブル」部分で「インフォシェルフ」の説明を受けているところ。)
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○各機能についてじっくりと説明を受ける参加者たち。中山さんが丁寧に設計の背景を説明して下さったことによって「なぜそういう形をしているのか?」「どうしてここに置かれているのか?」等、目の前に見える光景一つ一つに皆さん得心がいった様子でした。質問も適宜受け付け。
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○多摩美の方も中山さんの解説で施設を巡るのは初めてだったとのこと。研究会としても嬉しい誤算でした。
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○ティーブレイクをはさんで、多摩美図書館の渡邉さんからディスカッションのための問題提起として、「つくる図書館をつくる以降」という題目で事例報告をしていただきました。今座っているアーケードギャラリーおよび先ほど施設見学で説明を受けたラボラトリーの「使い方」を中心に、今後この図書館がどういう方向に舵を切れば面白くなりそうか、という話題を提供してくれました。大きなポイントは、多様な人の往来によって公権の及ばぬところしての「アジール(聖域)」となること。ここでいう「聖域」は森や教会、港町等が果たしてきたという。渡邉さんは図書館で開催したいくつかの事例を挙げた後、少しずつではあるが大学の中でその役割に近づいているのではないか、と締めくくった。
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○話題提供をいただいた後、ディスカッションへと以降。比較的穏やかな立ち上げりでしたが、他の参加者もブログに書いているように、スルガ銀行D-laboをデザインした李明喜さんの「あえて」の質問によって一気にヒートアップ。「多摩美の図書館、すばらしいぞ」では終わらせない「議論」へと進展していきます。振り返ってみると、全体を通して争点となったのは人と情報の関わり方、そのための空間がどのようにあるべきか、ということだったように思います。チラシに「本」(本のみならず情報全般を意図)とカッコ付きで記したように、情報の受け取り方、関わり方が多様化している現在、それに対応する空間とそこで生じる「使い方」にまで踏み込めればと思っていた事務局側としてはニヤリの展開でした。李さんは新しい情報との関わり方の一例として学生の携帯電話の利用形態を挙げ、図書館もそういう点を考慮に入れないとまずいのではないか?」と問いかけた。それに誘発されるように、今まさに新図書館プロジェクトが進行中の武蔵野美術大学美術資料図書館の本庄さんから「メディアとして図書館をきちんと捉えなければならない」や前回の交流会で講師を努めて下さったARGの岡本さん「ウェブをきっかけにしたリアルのつながりが重要」といったコメントが生成されました。また多摩美の渡邉さんからは「あえて」態度を留保してもいいのでは、との応答も。時間が押していたこともあり、まとめへと移らざるを得ませんでしたが、各自心のどこかに留め置いていただいて、次回の研究交流会の際、議論を深めていただければと思います。
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終了間際に、次回はせんだいメディアテークでの開催が内定(5月頃)。今回の多摩美術大学図書館のコンセプトメイキングにもせんだいメディアテークの存在が深く関わっているだけに、今回と併せて考えると刺激的になりそうです。せんだいメディアテークは開館から約10年を迎え、2008年春に改修を終えたばかり。開館以降、ウェブ環境の変化とともに歩んできた「メディアテーク」と向き合うことは「新しい時代の図書館」を考える上で重要なことと感じます。

懇親会では準備不足により、多摩美スタッフさん、参加者のみなさんにお手数をおかけすることになりました。末筆になりましたが、開催にご協力下さいました多摩美術大学図書館の方々、ゲストとして丁寧に解説して下さった中山さん、庵原さん、ご参加下さいました方々に改めてお礼申し上げます。(文責:久慈達也)

◎第2回研究交流会に参加して下さった方々がブログ等にコメントを掲載して下さっております。
○telescoweb event | 報告…新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会
http://event.telescoweb.com/node/9282

○Traveling LIBRALIAN | 図書館という<場>
http://d.hatena.ne.jp/yashimaru/20090302

○かたつむりは電子図書館の夢をみるか | いっそ住みたいと思うような多摩美大図書館で新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会に参加してきた
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20090301/1235936436

○matt | atlas | 新しい時代の図書館
http://www.mattoct.jp/blog/2009/03/post_417.html

○ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版 | 新しい時代の図書館研究会 第2回研究交流会「図書館の「使い方」を考える。」に参加(1)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090317/1237221377
○ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版|新しい時代の図書館研究会 第2回研究交流会「図書館の「使い方」を考える。」に参加(2)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090322/1237692877

関連記事:
○新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会...多摩美術大学図書館
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/4495

○新しい時代の図書館研究会について
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/10

○新しい時代の図書館研究会...第1回研究交流会を開催
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/33